04728-170407 新年度の授業も知的に「書考」、愉快に「楽問」
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2017年度の授業が始まりました。今年度も「知的に書考、愉快に楽問」しましょう。 書考。書いて考える。頭の中で思って考える「思考」より、頭の中身を眼前に文章として書き出して考える「書考」を、shioの全クラスで実践します。数秒前の自分という他人の言葉を客観的に観察して得られるフィードバックを繰り返して思考が進みます。「shikou」より「shokou」です。「shi」が「sho」になったところが「shio」的でしょ^^
もちろん昨年度までも、授業中に「書く」機会の多かったshioのクラス。毎時間終了時に提出するオピニオンペーパーに論述するし、ノートは90分で5ページ書くのが目安。今年度は以前以上に書いて考える「書考」訓練を意識し、「書考力」を鍛えます。 書考の道具は2種類。万年筆とキーボード。法的な文書を書くことを「起案」と呼びますので、万年筆で書くのは「手書起案(てがきあん)」、キーボードで書くのは「指起案(ゆびきあん)」。どちらも大切、どちらにも価値と効用があります。どちらか片方ではなく、両方どちらもきちんとできるようになりましょう。 https://flic.kr/p/U7Fyk6 https://c1.staticflickr.com/5/4158/34206169035_3cff860433_b.jpg
「手書起案」環境について。
必需品は万年筆とノートです。万年筆は筆圧ゼロで書き続けられるのが最大のメリットです。初心者向けの万年筆としては、品質が安定していて個体差が小さいパイロット社製が安心。 といったあたりを、予算とデザインで選べばOK。基本的相違はペン先(ニブ)の材質。1万円未満のモデルはニブがスチール製。 1万円以上のモデルはニブが金製。前者は書き味が硬く、後者は柔らかい、という相違。良し悪しではなく、好みです。shioは上記のうち、1, 2, 5を使っており、モンブラン、ペリカンなど様々な万年筆を使って来た結果、この「カスタム 823」のFA(フォルカン)ニブが最高に気に入っています。 インクはカートリッジインクだとすぐに書ききってしまうので、ボトルインクを使います。そのため、カートリッジの代わりにコンバータを入れて、ボトルインクを吸い上げて使います。
インクは2種類、染料インクと顔料インクがあり、セーラー製の顔料インクがベスト。司法試験の答案には「極黒」を使います。普段はブルーの「青墨」やその他セーラー「STORiA Dancer」の中から好みのカラーインクを使うといいでしょう。 https://flic.kr/p/ST4hic https://c1.staticflickr.com/3/2811/33395619853_695825f5a5_b.jpg
世の中にはいまだに「手書き至上主義」な方々がいらっしゃいますが、 タッチタイピング(ブラインドタッチ)ができなかったり遅いだけです。ちゃんとキーボードを一切見ない本来のタイピングができるようになれば、手書きより圧倒的に高速に起案できます(繰り返しますが、手書起案も大切です。双方にメリットあります)。
タッチタイピングをマスターするのは簡単。キーボードのホームポジションに置いた両手の上に、常時、タオルをかけておく。それだけです。キー配列表を横に置いたりモニタのフチに貼り付けたりして、それを見てキーの位置を指で探ってタイピングしましょう。10日〜2週間程度で、完全にタッチタイピングできるようになります。 ペンで文章を書くとき、ペンを見ながら書く人はいませんよね。それと同じ。キーボードで書くときにキーボードを見るのはおかしなことだと気づきましょう。キーボードを見ながらタイピングしている人は、4月中(あるいは遅くとも5月のゴールデンウィーク明け)までに完全なタッチタイピングができるように訓練してください。将来の生産性を左右しますから。
考えるための「書考」ですから、より高速に書けるとよりたくさん考えられる。文章を組み立てながら書考する際には、短時間により多くの文章を書くことができ、編集もたやすいタイピングの方が、「考える」手法として有効です。
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次は、「指起案」の環境について。ITを使って、徹底的に楽をしましょう。ITは人間が楽をするための道具です。
まずはMac。教室でも使うので、「MacBook」、「MacBook Air」、「MacBook Pro」のいずれかがいいでしょう。学生は、アカデミック価格で5%引きで買えます。さらに成蹊大学の学生はApple on Campusプログラムにより、9%引きで買えますので、ポータルサイトの最下部にあるリンクから成蹊大学専用のApple Storeに入ってください。 Macは、日本語を書く際、かな漢字変換操作が不要です。今この文章も、「変換キー」をまったく押すことなく書いています。サラサラさらさら。ただただ文章を入力していくだけで、Macが適切なかな漢字混じりの文章として表記します。「ライブ変換」というMac標準の機能です。 かな漢字変換を手動で操作する必要があった時代は、いちいち適切な漢字を人間が選択してあげる必要がありました。それゆえ、タイピングによる文章記述はたどたどしくて、時間がかかっていました。タイピングで文章書くのが嫌いな人の原因の一つでもありました。
それはもう過去の話。Macなら「ライブ変換」によって、かな漢字変換操作がほぼ不要です。なめらかに書き続けることができます。かな漢字変換のない英文タイピングと同様の滑らかさで日本語を書くことができるようになったのです。革命的です。過去、各社からいくつも「自動変換」出ては消えた歴史があります。とうとう実用的な自動変換を実現したのがMacです。Macを作ってくださっているAppleのみなさんに心から賛辞と感謝を送りたい。どうもありがとうございます。
したがって、まずはMacを手に入れましょう。Mac本体のキーボードも打ちやすいですが、PFU製「HHKB Professional BT」があると、さらに快適、なめらかにタイピングを続けることができます。タイピングをローマ字入力ではなく「親指シフト」にすれば、書考が速く楽になります。ローマ字入力の57%の打鍵数なので効率的ですし、日本語の音をそのままダイレクトに入力するので、日本語による書考に適しているのです。 そして、ベストな書考環境がScrapbox。これはまた、項を改めてお伝えします。 https://flic.kr/p/U7Fy2F https://c1.staticflickr.com/3/2817/34206168025_56cf23b492_b.jpg